迷える心に。

タイトル未定 land of music
ヒートウェイヴ (2007/01/24)
バウンディ
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レヴューを書こうと思ってて、なかなかちゃんと書けませんでした。
しかし、一気に書いたときに出しとこうと思って(汗)

熱波ファンとしては待望の一作。投資したのもあって(笑)


まず第一印象は。
予想よりも、バンド、と言うよりヒロシの「個」の部分が
かなり色濃く出ているなーと。
もちろん、これまでもそういう楽曲はたくさんあったんだけど、
これまでのそういったものとはまた違う意味での「個」が出てきた
っていうか。これまでとは別種のステージに入ったように感じました。
熱波の楽曲はほとんどヒロシひとりで書いてるんだし、
彼個人の「波」がそのまま作品に反映されるのは当たり前なんだけど、
これまでより強く、そういった彼自身の「浮き沈み」みたいなのが、
そのまま表されてたと思います。

前作は、やっぱ「復活!」ヒートウェイヴのイメージや
意気込みを強く打ち出したかったのもあるだろうし、
山口洋自身があのメンバーでバンドをやれる喜びをとても
強く感じていたろうから「バンド主体」って感が前面に出ていました。
でも今回はそれに比べると、山口の個をバンドでうまく包んで
味付けして仕上げてきた感じ。
前作と同じようなものを期待して聞くとちょっと肩透かしをくらう
でしょうが、これはまたこれでとても彼ららしい作品になってるし、
今回こういうのが出てきたのは自然だったかもなと・・・
いや、そう思えるのは、この作品を完成させるに至るまでの過程等を
彼のダイアリーなどで目にしていたってもありますが・・・

わしは、けして明るい作品とは思えないし(苦笑)
爽やか、とも感じてないし、穏やか、というのとは
若干充てる言葉が違うような気もしたりして。 
外向き、というよりは内向きのベクトルでもあるし、
前作が荒々しい海原へ勇ましく出航していく船だったとしたら
今作はヒロシ自身の心の内なる静寂の湖へボートでゆっくりと
漕ぎ出して浮かんでいるような風景を思い浮かべました(汗)
前作は「ここではない何処か」へ突進していくイメージだったのが
今回は「今自分が居る場所」にゆらりゆらりと佇んでるというか。

歌詞も今回は「あんまり推敲しなかった」らしくて
それが窺える内容が多いかなと。確かにいつもほど作りこまれた
感はありませんでした。
逆にそれで出したほうが今回は良い、と判断されたようで。
あまり取り繕うことなく、現在のありのままの彼の心の有り様が
出てるということかと。自然と繰り返される言葉のいくつかが
耳に引っかかってきます。肯定的な言葉が多いです。
あと、彼自身の歌そのものが。
突き刺さるような尖った部分は今回はあまり感じません。
でも、丸い、とかソフト、と言うのとも違うかな。でも、
不思議な透明度があるような気がします。

収録曲は、ここ数年のライヴなどで耳にしていた新曲がほとんど。
自分がライヴで聴いた時点では、まだまだ未完成さが気になるもの
ばっかりでしたが、やはりアルバムに入れるということで
それなりの体勢を整えてきてるな、というのはありますね。
『PRAYER ON THE HILL』はタイトルを見た瞬間、魚さんの
SAROを思い出したのはわしだけではないと思うんですけど(汗)
やはり当然まったく違う曲でしたな(苦笑)
個人的に好きな曲を選べば『TOWER OF SILENCE』と『出発の歌』。
わしが、ヒロシが別のステージに上がった、と特に感じたのは
『出発の歌』でのいくつかのフレーズを聴いて、でした。

ちょっと一歩引いた見方かもしれませんが。
一般的なリスナーな視点から見てみれば。
大傑作か?と訊かれれば正直イエスとは答えづらい・・・・・かなあ。
聴く人によって評価が分かれても仕方ないかも。
誰にも解り易く、強烈なインパクトを与える仕上がりではないし・・・
前作の話をすれば「ちょっと力みすぎ?」って面もありましたが
あれはあれで大好きでした。しかし今回は逆に「肩の力抜けてるねー」
というのはあると思います。

言葉はあまり良くないんですが、いろんな意味で若干
「中途半端」で収めているのかなと。
実は答えを確定してない、ところがあるというか。
もしかすると、『わざと』そうしたのかなと言う気もしますけど。
ある程度確信を持っているのに、表現をぼやかすほうに
行ってるような気もしたりして。
ゆらりゆらりと揺れている、ように感じたように、
「ゆれ幅」をそのまま取り繕わなかったのかとも思います。
また、言葉を変えれば今回の作品はそれだけに
「未完成」なのかもしれませんね。あくまでも過程、というか。
このアルバムで示した鋳型は、この先彼らが改めて磨き上げていく
ものでもあるかもしれません。

熱心な熱波ファンの立場から見れば、
きっと「これを作らねばならん時期だったんだろな」と。
山口洋が表現したかったこと、てのはよく見えるようで。
彼が2006年のソロツアーの時等に何度か口にしてた言葉に
「人は生まれたときから死にはじめる」ってのがありました。
この言葉は受けとめ方によっては、いろんな意味合いを持ち、
さまざまな色合いを持つ言葉であるとも思います。
その同じ言葉、を初めて耳にしたのは、自分は10代の頃でしたが、
それに対する受けとめ方が自分もここ数年の間で随分と
変わってきていて。
自分も少しは経験と歳を重ねてるんだなーと実感したりも(苦笑)
きっとたまたま、その辺の感覚が近いのか、彼が何故今また
そんな言葉を何度も発してたのかは伝わってくるような気がしまして。
<わしの思い込みかー(爆)
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Comment

land of music

熱波新作、ワシもまだうまくまとめられんので書いてないんだけど
「時代を生きる人々へのサウンドトラック」ってコピーはまさにその
通りだと思ってる。雑踏でiPodで聴いてて すぅーっと胸に入って
くるんだよね。あー 一般発売日までにはワシもまとめよっと。

なんつーか、ちょうど我々のような30代あたりから
上の世代の人に訴えかけるものが強いような気がしますね(笑)
もちろん若い世代にも聞いてもらいたいですが・・・

亀レスその1。

力作れびゅう、ありがたう(笑)。いやあ、さすが長年ヒロシを
見守ってきたヒロシストの言葉は含蓄がある(笑)←お世辞ではない
アルバム特設サイトのヒロシのインタビューを読み、それから
チミのれびゅうを読んで、このアルバムを聞くと、またいろいろ
見えてくるものがあったよ。このもわもわしたアルバムの輪郭が
それなりにくっきりしてきたというか(笑)

まあ正直言って、このアルバムを聞いたときはなかなかピンとこなくて、
しばらく放っておいた(汗)。それで、またしばらく寝かしてから
あらためて聞いたら、いやあ、これはこれでひじょうに良い作品だと
思えだした(汗笑)

確かに最初聞いて、がつんとくるようなインパクトがあるわけじゃなし。
だけど、内面に引きこもってしまうような観念的なアルバムでもない。
やっぱヒロシなりに、自分との、バンドとの、音楽と言葉との
対話(ダイアローグ)を通じて、世界に向き合ってるんだと。
前作みたいにバンドとしての力強いメッセージを打ち出すというよりは、
いちど自分の内面、身の回りの日常のなかに下降してみて、そこから
広い世界にアクセスするいろんな方法を見つけようとしているというか。
うまく言えないけど、リスナーの感受性によって、いろいろな表情が
見えてくるような奥の深い曲がそろっているような気がする。
そのぶん明快で分かりやすい音楽ではなくなっているけれど。

こうした作りは確かにヒロシが言うように、やっぱひとつの「進化」
なんだろうね。もわもわぼんやりしたYesだよ、たしかに(大笑)

チミが言う「大海原への船出」と「内面の湖へボートでこぎ出す」という
表現の対比は、ひじょうに素晴らしい。これはまったくその通りだと思う。
前作が出航なら、今回は遡航してるんだよ。
これはグラの勝手な説であるが、ひじょうにこのアルバムは海や湖を思わせる
ゆらゆらした浮遊感があって、水面にリスナーの心がうつしだされるような
鏡面効果もある。それは魚氏の音響面での貢献も大きいんだけど、
ヒロシの水泳体験も大きいと思うのだ(大笑)
彼は一時期、やたらプールで泳ぎまくってたろ。水の中で浮き沈みしながら
いろいろ考えることも多かったんだろうが、アルバム聞いてたら、こちらも
泳いでるような感じがするよ(笑)。実際に数年前のベスト盤で彼は
「スゥイム」というもわもわした新曲を作って収録していた(笑)
この曲を起点に、今回の新作に通じる道のりがはじまったような気もする。

つまり、力強いメッセージを携えて世界に向けて出航しよう(voyage out)
というよりは、もういちど自分という存在の源流を遡航することで(voyage in)
今の(勝ち負け)社会ではうまく表現できないような違和感、感情、微妙な
心の襞なんかを、深い水のなかからすくいあげようとしたんじゃないかと。
そういうのは放っておいたら、そのまま沈んじゃうからね。
だから、分かりやすいものではない。でも分かる人に分かればよいってな
突き放したもんでもない。時間をかけてゆっくりした対話=説得に
もちこむような気の長さがある(笑)。そのぶん長い付き合いができる
アルバムなんじゃないかと、あらためて聞き直すとそう思った。

けっして内向きではない。でも外向きでもない。
(世界に)Noを突きつけてるんでもない。Yesと言ってるけど全肯定ではない。
難破して沈没してるんじゃないけど、力強く浮上したわけでもない(笑)
いろんな意味で、「境界線上にある」ことを選んだ作品だという気がする。

アルバムの最後を飾る「出発の歌」を聞くと、やっと10年たって
彼なりの「満月の夕」が完成したじゃないか!と思えたのだ(笑)

力のこもったレスありがと(笑)>グラ。

わしもこのレビュウは一気に書いたこともあって
読み直せば若干ワキの甘さを感じたりするんだけど
その辺をグラがしっかりフォローしてくれた気が(多謝)

満月の夕、コレに関しては、またいろんな意見があるとは
思うのだけど、わしも、常々、この曲に関するヒロシの
向き合い方、ってのが実はずーっと気になってたんだよね。
一応、作者のひとりであるわりには、あえて距離をとって、
かの曲の行く末を見守ってるようなところがあって。

この曲に対する、彼の最近の感じ方の変化、というのは
おそらく今回のこのアルバムの中にも見て取れるものが
あるのかな、と思います。
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プロフィール

たづ助。

Author:たづ助。
妙齢女子。名古屋にへらへら生息。

主には
好きな音楽やライヴや映画の話。
時に英語学習のお話や、戯言などを
ゆるゆるゆると綴り続けております。

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